初めての研究授業は国語科「スイミー」でした。大学では国語教育を専攻していたので、国語の教材研究をすることは、自分にとって楽しい時間でした。また、純粋で学ぶ意欲に溢れた子どもたちにとう発問したら学びが深まるか?と考えることにワクワクしていました。
自分が指導力を身に付けていくにつれて、実は苦労していくことになるのですが、一年目はその奥深さをまだ知りませんので、ひたすら自分も楽しんでいました。
スイミーや赤い魚たちをペープサートにしたり、大きなマグロ、海の中にいる楽しい生き物たちを大きな画用紙に描いたり…。子どもたちが想像を働かせたり、主体的に学習できるようにと時間をかけて教材をつくりました。今ですと、教科書をスキャナーで読み込んだり、デジタル教科書を使って、簡単に大きな教材をつくることもできるのですが、当時はそんな機器はありませんでしたので、ひたすら教科書をにらめっこして、そっくりに大きく描く!または、拡大コピーをしてつなぎ合わせて下書きをする!そんなことに時間をかけていました。
効率の悪いあの時間は、無駄だったのか…?今であれば、確かに無駄な時間かもしれませんが、子どもたちの姿に思いをはせて教材をつくるという地味な時間は、きっと自分のためになったのではないかと思います。
とは言え、時代がまだまだのんびりしていた風潮で、教員に求められる仕事量も、今よりも格段に少なかったあの当時だからこそ、授業づくりに没頭できたのではないかと思います。古き良き時代に採用された、貴重な教員スタートの時間だったと思います、
ゆえに、今年本校で採用になった二人にも、授業づくりや学級づくりに心を傾けられる余裕をもたせられる働きかけをしたいものだと改めて考えます。
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